【開催報告】MLBのレジェンドが語る「プロフェッショナルとして活躍するために大切なこと」
1. 偶然をチャンスに変え、道を切り拓く力
講話の冒頭、お二人はこれまでのキャリアの歩みについて語ってくださいました。
リック・グリフィン氏
大学院生時代、偶然かかってきた「マイナーリーグのトレーナー募集」の電話にその場で即答したことがすべての始まりでした。そこから積極的なアプローチを続け、弱冠25歳という若さでシアトル・マリナーズのヘッドアスレティックトレーナーに就任。チャンスに対して即座に「Yes」と言える準備と情熱が、トップへの道を拓きました。
スー・ファルソニ氏
伝説的なスポーツパフォーマンス施設「Athletes' Performance(現EXOS)」の設立メンバーとして実績を積み、MLB初の女性ヘッドトレーナーとしてドジャースへ。その後、サッカー米国代表やNFLのヒューストン・テキサンズといった異なる競技の最高峰でも手腕を発揮し、現在は再びドジャースに戻りメディカルアドバイザーを務めています。常に変化し、挑戦し続けるキャリアの姿勢を明かしてくださいました。
2. 華やかな舞台の裏にある「過酷な現実」と「誇り」
学生からの「最もチャレンジングなことは?」という問いに対し、お二人はプロの世界のシビアな現実を隠さず語ってくださいました。
想像を絶するスケジュール(リック氏)
リック氏は「1年のうち6〜7か月は自宅を離れ、シーズン中は1日12時間勤務という日々が続く」というリアルな数字を明かしました。この過酷な環境下で、安定したコミュニケーションを通じて毎日選手の信頼を得続けることこそが、最大の挑戦であると説きました。
究極の選択と報酬(ファルソニ氏)
ファルソニ氏は、仕事のために家族の結婚式や葬儀といった人生の重要な行事にさえ出席できないこともあると、プロとして払ってきた犠牲の大きさを語りました。しかしその反面、「その犠牲があった上で、世界のトップアスリートと仕事ができるという報酬は、何物にも代えがたい素晴らしいものだ」と、プロとしての誇りと喜びを強調されました。
3. プロとして最高のパフォーマンスを出し続けるために
休みなく続く12時間勤務の中で、いかに自分をマネジメントするか。お二人のアドバイスは、極限の現場を生き抜いてきた知恵に溢れていました。
30分のリセットをルーティンにする(リック氏)
「たとえ30分のランチタイムであっても、仕事を離れて自分の時間を持つこと」。リック氏は毎日、スポーツセクション(新聞のスポーツ欄)を読んでリフレッシュする時間を、プロとして自分を保つための不可欠なルーティンにしていました。
心身の土台を整える(ファルソニ氏)
限られた時間の中でも「身体を動かし、正しく食べ、睡眠をしっかりとる」という基本を徹底すること。さらに「家族や友人との関係、自身の信仰(Faith)をケアし、精神的な土台を保つこと」の重要性を説きました。これらはすべて、プロとして長く活躍し続けるための重要な戦略です。
4. 学生へのメッセージ:未来を創造する
最後に、現代の学生たちへメッセージをいただきました。
「私たちの時代にはなかった多くの選択肢が君たちにはある。その環境を最大限に活かしてほしい」
「既存の枠にとらわれず、Be Creative(創造的であれ)。自分だけのキャリアをデザインしてほしい」
結びに
「毎日が挑戦であり、大きな犠牲もある。しかし、その先には唯一無二の感動がある。」
世界最高峰を極め、今なお第一線で活躍し続けるお二人の言葉は、技術論を超えて、プロフェッショナルとしていかに自分を律し、人生に向き合うかという深い学びを本学に遺してくれました。