鍼灸学科・松浦助教の論文が『Psychiatry Research: Neuroimaging』に掲載されました
2026年06月11日 社会貢献・研究
この度、鍼灸学科・松浦 悠人 助教の、うつ病患者への鍼刺激による脳血流の変化を評価した論文が『Psychiatry Research: Neuroimaging』に掲載・オンライン公開されました。
内容は以下のとおりです。
An arterial spin-labeled magnetic resonance imaging study of brain activation in patients with major depressive disorder during acupuncture stimulation: An exploratory study
(うつ病患者における鍼刺激中の脳活動に関するarterial spin-labeled MRI研究:探索的研究)
掲載誌
Psychiatry Research: Neuroimaging Volume 360, August 2026, 112220
著者
松浦 悠人、菊池 友和、山口 智、吉益 晴夫、松田 博史、奥平 智之、安野 富美子、坂井 友実、土屋 一洋
研究のポイント
- 本研究では、「うつ病患者さんへの鍼刺激中の脳血流はどう変わるのか?」という疑問を”arterial spin-labeling”という手法を用いて検証しました。
- 使用したツボはうつ病への鍼治療によく使われる手足の4つのツボ(左右計8本)です。
- その結果、鍼刺激中から刺激後にかけて意思決定や認知に関わる「前頭前野(ぜんとうぜんや)」の血流が増加し、不安や恐怖を司る「扁桃体(へんとうたい)」や「後帯状皮質(こうたいじょうひしつ)」の血流は低下しました。
- 本研究の結果は、鍼刺激が感情に関わる脳ネットワークに影響することを示唆するものであり、鍼刺激の抗うつ効果を裏付ける神経生理学的な根拠になり得ると考えています。
本研究の特徴は、鍼刺激中のリアルタイムな脳活動を測定したことです。うつ病の患者さんへの鍼治療が終わった後、「スッキリした」「頭が軽くなった」などのコメントがよく聞かれます。そのような手応えを脳画像によって「見える化」できたと考えています。単回の刺激のみの結果であり、まだまだ課題は多いですが、さらに研究を発展していけるよう頑張ります。
― 松浦 悠人 助教